1・ 管理会社の選定について
 マンションが分譲されると、管理組合が法的に当然に存在することになります。マンションによっては分譲契約の際、分譲業者から原始規約が提示され、その中に、特定の管理会社が記載されているケースがあります。譲受契約と一緒に規約の承認の署名を求められ自動的に管理会社を決定するようなことが一般 化しています。将来管理組合が管理会社を替えようとするとき「規約改正手続き」が必要になります。
 管理業務の委託は、規約で過半数の承認事項にしているのが普通ですが、すでに特定の管理会社名が規定されている場合は、委託先を替えるのに規約改正が必要になります。
 このような場合、早めに規約改正を行い、普通決議事項として「組合業務を委託することができる」ことにしておくことをおすすめします。
管理会社のノウハウは今までの実績と経験から、さすがと思われる点が多くあります。
さまざまな環境作りを提供する管理会社の課題は多くあり、そのサービス内容を比較する情報収集なども大切となります。
2・ 管理会社を替える前に
 どこのマンションでも、住民から管理会社への不満が生じたり、理事会等でも1度ぐらいは管理会社を替えたいという意見が出ることがあるのではないでしょうか。理由としては、委託契約金が他より高い、会計処理が不明瞭だ、支払額に見合うサービスをしていない、管理人の態度が気にいらない、など。
 問題は、管理組合側に管理会社を正しく評価する知識や資料がない、他に良い管理会社を見つけられない、といった点が揚げられます。したがって、なかなか踏み切れないのが実情でしょう。
 そこで、管理組合としては、文書によって管理会社の契約にかかる問題点の項目をあげて指摘し、これについて改善計画を提出してもらい、半年〜1年の期間、監視するという方法をとってみるのもいいのでは。管理会社に契約継続の意思があれば、努力して改善するかもしれません。一気に変えようとせずに、段階を踏みながら対処してみてはいかがでしょう。
3・ 管理業務契約について
 管理組合と管理会社との契約は「管理委託契約」とするのが一般的です。管理組合との間で管理受託契約に特別 契約をして、役員の補助業務及び代行業務を行っているにもかかわらず、修繕工事等を請負っているケースが少なくありません。民法の「双方代理」の禁止規定に触れるのでは、と指摘する声もあり、管理組合が工事を発注することが、組合員の利益になるかどうか検討すべきです。管理会社の中には、工事等の請負業務は一切せず、役員の指示・監督のもとで、補助・代行として工事業者の募集を行ったり、適切な管理に必要なアドバイスをするだけのところもあります
4・ 資金保管の状況
 管理組合資金は、組合員の貴重な財産です。ほとんどの管理組合は、日常の管理業務と収納会計業務を管理会社に任せているため、規約上は簡単な会計規定を設けているだけです。役員が主体性をもって任務を行うための、詳細な会計規定はなかなかつくられていません。資金の保管は、役員に任せるより管理会社に任せる方が安心だ、と言う考えが普通 です。
 管理費等の引落し金融機関の預金口座名義を管理会社名義にしているばかりか、理事長印や通 帳まで管理会社に預けているところが多いようです。まずはあなたのマンションの管理費や修繕積立金を金融機関に預けている口座の名義がどうなっているか確かめてみましょう。そして、「××マンション管理組合・理事長△△」の名義にすることを進めます。と共に、使用印鑑は管理会社へ預けていませんか? 印鑑は管理組合が安全に管理する方がよいでしょう。
5・ 自主管理について
管理委託金が高いという理由で「自主管理に移行しては」という話がありますが、法律や修繕工事に至る深い知識を持っている人間がいないので移行に対して、不安を感じているのが現状でしょう。
まず、自主管理に移行した場合どのようなメリットがあり、どのようなリスクがあるのか一般 論で整理しましょう。

 マンションの管理業務は、日常の管理業務と長期修繕工事の二つがあります。
その業務の実施方法は、委託管理と自主管理に大きく分類できます。
委託管理は全面的委託から一部委託まで度合いが違います。
自主管理も全面的自主管理から一部自主管理まで幅広くあります。

次に、その違いを表すと、
委託管理の場合、
 管理会社に委託だから管理組合、即ち住民は楽だし、責任があまりありません。
マンション管理に余り精通しなくても理事も輪番制で可能だし、サラリーマンの方でも理事長を努めることが可能です。
その代償として多くの管理費を支払います。
一番問題なのは、他人任せになって、自分たちのマンションの意識が希薄になり、住民相互の関係も疎遠になることです。

自主管理の場合、
 自分たちで管理するわけですから、管理業務の内容を理解し、自分たちの責任で実施することになります。
そのため、マンションについて幾分知識を高め、意欲のある方を中心に進めるようになります。その代償として、少ない管理費でまかなうことができるわけです。
最大のメリットは、住民自身がマンションの内容を良く理解でき、更に自分たちの所有物だという意識ができ、住民間の繋がりは増します。
 従って、自主管理へ移行する場合は、業務のどの部分を自分達でこなし、どの部分を委託するかを充分検討する必要があると思います。
例えば、管理人の業務を自分たちでやってしまうのか、管理人を管理組合で雇用するのか、管理会社に管理人の派遣だけを委託するのか。
そのやり方はいろいろです。

6・

管理会社のチェックポイント
管理会社のよしあしは、管理委託契約書の内容をチェックすれば浮かび上がってきます。契約書はいずれの会社も、本文とその内容を補足する別 表とで構成されています。管理業務に対してのサービス度を、以下のポイントでチェックしてみてください。
管理委託契約書の本文について

1・ 委託契約書の中に、業務委託費の内訳明細(事務管理業務費、清掃業務費、エレベター点検費、設備点検費等別 に)が添付されているか。
2・ 管理委託業務内容説明及び仕様書文中に「補助」「適宜」「必要に応じて」などといった、あいまいな表現はないか。
3・ 管理委託費の値上げまたは契約解除についての条項に、管理組合にとって不利な条文はないか
4・ 管理委託契約期間は、単年度ごとの契約か、複数年契約又は自動更新契約になっているのか。
5・ 管理費の収納口座が「○○マンション管理組合理事長」名義になっているか。
6・ 管理費・修繕積立金などの印鑑を、管理組合側で保管しているか。
7・ 管理費・修繕積立金などの収納状況及び支出内訳が毎月報告されているか。
8・ 駐車場等の利用料収入は、管理費とは別 に修繕積立収入として積立てられているか。
9・ 管理組合の次期予算案が、事業年度の始まる2ヶ月前までに提出されているか。
10・ 管理組合の決算書が、事業年度終了後1ヵ月半以内に、管理組合へ提出されているか。
11・ 管理会社が設備点検や清掃業務等の外注金額を開示しているか。
12・ 365日24時間、管理会社と連絡や設備故障時の対応が迅速に取れるようなシステムになっているか。
13・ 定期的に総会や理事会が開催され、議事録を作成・保管しているか。
14・ 共用部分に掛けた損害保険契約の名義を「○○管理組合理事長」名義にしているか。
15・ 長期修繕計画が策定され、またこれに基づく適切な修繕積立金が積立てられているか。
16・ 建物の竣工図や修繕履歴情報が整理保管されているか。
17・ 管理業務報告書が毎月管理組合に対し報告されているか。
18・ 管理人(巡回管理含む)の勤務形態について納得できない部分はないか。 

チェックポイントにおいて、不審と思えることに関して管理会社へ説明を求めたり、また改善を要求すべき内容が発生した場合は、早速申入れを行うべきでしょう。